ヒエログリフの中には、ふたつ(あるいはそれ以上)の文字の図像を重ね合わせてひとつの文字としているものが多くあります。そのような文字を点字化する場合は、そのふたつの文字の符号の間に下記の合字符を置いたものをその文字の点字とします。
合字符 | 意味 | 用法 |
・・ ●● ●・ |
縦→横 | 縦長の文字に他の(典型的には横長の)文字が重なった文字を表す |
・・ ●● ・● |
横→縦 | 横長の文字に他の(典型的には縦長の)文字が重なった文字を表す |
実際には、論理的には縦→横と横→縦の区別は不要なのですが、後述の配列符を正しく置くために必要な文字の形の情報を意識させるため、あえて区別します。ただし、縦長か横長かの区別がわかりにくい場合は、縦→横の合字符を用いることとします。
ひとつの文字に同じ形状の図像が複数用いられている場合、それらの図像が接触している場合は合字符、乖離している場合は双数・複数の区別符を用いて点字を生成します。
合字符を持つ符号にさらに合字符を用いて、別の文字の点字を生成することもできます。特に、人間をかたどった文字は、手足の所作や持ち物等について合字符を用いて点字を生成するため、ひとつの文字を表す点字列が長くなることもあります。
合字符を持つ符号の前にさらに区別符を置いて、別の文字の点字を生成することもできます。点字列の最初に双数・複数の区別符がある場合、その区別符は点字列の最初の要素のみではなく、点字列全体に影響を及ぼすものとみなします。
以下は、合字符を用いる点字の若干の例です。
コード/名称 | グリフ | 点字 | コード/名称 | グリフ | 点字 | 合字符 | コード/名称 | グリフ | 点字 |
M1 | |
●・ ●・ ・● ・・ ・● ・・ |
M3 | |
●・ ・● ●● ●● ・● ●・ |
・・ ●● ●・ |
M1A | |
●・ ●・ ・・ ●・ ・● ・● ・・ ●● ●● ●● ・● ・・ ●・ ・● ●・ |
木 | 枝 | 木と枝 | |||||||
N26 | |
・● ●・ ●● ●・ ・● ●・ |
N5 | |
●・ ●・ ●● ・● ●● ●・ |
・・ ●● ・● |
N27 | |
・● ●・ ・・ ●・ ●・ ●● ●・ ●● ●● ・● ・● ●・ ・● ●● ●・ |
山 | 太陽 | 山と太陽 | |||||||
G1 | |
●・ ・・ ・・ |
G1 | |
●・ ・・ ・・ |
・・ ●● ●・ |
G2 | |
●・ ・・ ●・ ・・ ●● ・・ ・・ ●・ ・・ |
ハゲワシ | ハゲワシ | 2羽のハゲワシ | |||||||
V30 | |
●● ●・ ・● ●・ ●● ・・ |
G47 | |
●● ●・ ・・ ・● ・● ●・ |
・・ ●● ・● |
G48 | |
●● ●・ ・・ ・・ ●● ●・ ・● ●・ ●● ●● ・・ ・● ●● ・・ ・● ・・ ・● ●・ |
取っ手のない籠 | 雛鳥 | 3羽の雛鳥と巣 | |||||||
A1 | |
・● ・● ●・ |
D28 | |
●・ ●・ ●・ ・・ ●● ・・ |
・・ ●● ●・ |
A70 | |
・● ・・ ●・ ●・ ・● ●● ●・ ・・ ●・ ●・ ●● ・・ |
座る男 | 高く掲げられた両腕 | 両腕を掲げて座る男 |
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